初期熱中症と電解質異常、そして漢方という選択肢
信州会クリニック(東京都中央区日本橋・人形町)では、初期熱中症に対する東洋医学的アプローチとして、五苓散・白虎加人参湯・清暑益気湯などの漢方を活用し、未病対策に取り組んでいます。
重症例ばかりが取り上げられる報道の落とし穴
「熱中症で搬送」「死亡例が発生」——メディアが取り上げるのは常に重症例である。しかし、本当に注目すべきは、倒れる前の「予兆」である。初期症状を見逃さず、早期に対応することが肝要だ。
初期熱中症の見逃されがちなサイン
- 頭が重い
- 軽度の食欲不振
- 立ちくらみ
これらは「夏バテ」ではなく、電解質の喪失や自律神経の乱れによって現れる明確な身体からの警告サインである。
体温調節と電解質の見えない喪失
発汗によって体温を調節しているが、同時にナトリウムやカリウムなどの電解質も喪失している。このバランス崩壊が、頭痛・倦怠感・胃腸機能の低下を引き起こす。
「水を飲めば良い」は誤解である
水だけを摂取し続けると、低ナトリウム血症に陥り、意識障害や痙攣といった症状が起こり得る。問題は単なる水分不足ではなく、電解質の補給が必要である。
漢方薬による初期熱中症の対処法
東洋医学では、体質と症状に応じた処方が重視される。信州会クリニックでは以下の漢方薬を状況に応じて用いている。
五苓散(ごれいさん)
水分代謝を整える処方。頭重感、口渇、むくみや下痢のあるタイプに。
白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)
体に熱がこもりやすい体質に。火照り、全身の疲労感が強いときに適応。
清暑益気湯(せいしょえっきとう)
夏バテ体質・食欲不振・疲れやすい人向け。虚弱な体を補う。
信州会クリニックの取り組み
東京都中央区日本橋・人形町の信州会クリニックでは、患者の体質と症状に基づき、未病段階での早期対応を重視している。東洋医学と西洋医学の融合による「重症化予防」を方針とし、漢方診療を積極的に行っている。
まとめ:体からのサインに耳を傾けよ
冷房や水分補給は一時的な対策にすぎない。微細な体調の変化に気づき、適切に対応することが、真に健康な夏を過ごす鍵である。初期症状を軽視せず、体からの警告に耳を傾けることが最も重要な予防策となる。