遠絡療法

遠絡療法(えんらくりょうほう)について

つらい慢性的な痛みやしびれ、原因のはっきりしない体調不良でお悩みの方へ――その症状は、身体を巡る「流れ」の滞りが関係している場合があります。遠絡療法は、西洋医学と東洋医学の考え方を融合し、「流れ」にアプローチすることで症状の改善を目指す新しい治療法です。薬や手術に頼らず、体が本来持つ回復力を引き出すことを重視しています。当クリニックでは、痛みや不調に対する選択肢の一つとして遠絡療法を提供しています。

遠絡療法とは?

遠絡療法(遠絡統合療法)は、東洋医学の経絡(体内のエネルギーの通り道)と西洋医学の神経経路など、「生体の流れ」に着目した治療法です。痛みやしびれなどの症状の原因を「神経や経絡の伝達の滞り」と考え、症状が出ている部位ではなく、遠く離れた皮膚表面の反応点を刺激して、その流れを改善し不調の根本へ働きかけます。専用の低出力レーザーや木製の棒状の器具を用いて刺激を加えるため、身体への負担も少なく安全に行えるのが特徴です。

この遠絡療法は、台湾出身の麻酔科医が研究・開発したもので、西洋医学と東洋医学の長所を取り入れて独自に体系化されています。従来の治療では改善が難しかった痛みやしびれに対して、新たな可能性を提示するものとして考案されています。日本国内でも痛みのクリニック等で徐々に取り入れられていますが、まだ新しい分野であり科学的な有効性については現在も研究段階です。効果には個人差があり、必ずしも万人に有効とは限りません。

遠絡療法の特徴

  • 非侵襲的な治療:薬剤の投与や注射、外科手術を行わずに治療します。身体への負担が少なく、副作用の心配がほとんどありません。
  • 症状の根本原因にアプローチ:症状の出ている部位だけでなく、原因となっている可能性のある部位(経絡・神経ライン)にも働きかけます。身体本来の治癒力を呼び覚ましバランスを整えることを重視します。
  • 全身のバランス調整:自律神経や血流などのバランスを総合的に調整します。原因が特定できない体の不調(不定愁訴)にも対応できます。
  • 専門機器による刺激:可視光線のソフトレーザーや、先端が丸い木製の棒を使い、皮膚上の反応点に圧刺激や光刺激を与えます。強い痛みは伴いませんが、刺激する部位によって軽い痛みや圧痛を感じることもあります(感じ方には個人差があります)。
  • 体へのやさしさ:薬を使わないため薬剤による副作用がなく、治療後の倦怠感も自律神経の調整による一時的なものに留まります。効果の現れ方には個人差があります。

適応となる症状の例

遠絡療法は次のような症状に検討されることがあります(いずれも効果を保証するものではありません)。

  • 慢性的な痛み(頭痛、肩こり、腰痛など)
  • 自律神経の不調(めまい、耳鳴り、立ちくらみ、不眠、動悸、ほてりなど)
  • 全身の倦怠感、慢性疲労、原因不明の体調不良
  • 手足のしびれ・循環不良、冷え、むくみ
  • 更年期に伴う不調、ストレスによる体の不調
  • 病院で「異常なし」と言われたが症状が続くケース など

遠絡療法の適応は患者様の状態によって個別に判断します。症状や原因によっては他の治療法(例えば神経ブロック注射や投薬など)が適している場合もあります。当院では、症状の経過や重さを診て、遠絡療法が有用かどうかを見極めご提案します。

治療の進め方

  1. 事前評価・説明
    初回診察時に、医師が症状の状態を評価し、遠絡療法の概要や目的、考えられる効果についてご説明します。
  2. 治療の実施
    ベッドに横になっていただき、遠絡療法による施術を開始します。皮膚表面の特定の反応点にソフトレーザー照射や木製の棒での圧刺激を加えます。複数の部位を刺激し、自律神経や血流の流れを整えます。施術中の痛みは強くありませんが、圧を加えた箇所に軽い痛みや響く感じを覚えることがあります。強い痛みを感じた場合は遠慮なくお知らせください。
  3. 施術時間
    初回は約60分程度(問診・説明を含む)です。2回目以降は症状や治療部位にもよりますが、概ね20~30分程度です。慢性的な症状の場合、週1回程度で数回続けて経過をみることが一般的です(頻度や期間は個人差があります)。
  4. 経過観察とフォロー
    施術後は、症状の変化や体調の様子をみながら、次回の治療方針を決定します。1回の施術で十分な改善が見られることもありますが、数回繰り返す中で徐々に症状が緩和する場合もあります。初回または2~3回の施術で変化が見られない場合は、その後も継続しても効果が得られない可能性が高いため、無理に続けることはせず他の治療法をご提案します。
  5. 日常生活のアドバイス
    必要に応じて、睡眠や食事、ストレスケアなど、自律神経のバランスに影響する要因について助言をさせていただくことがあります。
  6. 他の治療との併用
    遠絡療法は、通常の薬物療法や神経ブロック注射、リハビリ等と併用することも可能です。症状によっては、従来の治療と組み合わせて遠絡療法を取り入れることもあります。

※治療中は基本的に衣服を着たまま受けていただけます。必要に応じて袖や裾をまくって照射・押圧しますが、特殊な着替えは不要です。

注意点と限界

  • 効果や実感できるまでの期間には個人差があり、「必ず治る」といった保証はできません。
  • 有効性については現在も医学的な検証が進められている段階です。
  • 副作用はほとんどありませんが、施術中に反応点を押圧することで一時的に痛みが強まったり、施術後にだるさや眠気を感じる場合があります。いずれも一過性のもので通常は心配いりません。
  • 基本的に日常生活で大きな制限はありませんが、施術当日は患部の強いマッサージや過度な力が加わる刺激は控えてください。
  • 明らかな器質的疾患や緊急性の高い症状の場合、まずは従来の治療が優先されます。また、妊娠中や体内に医療機器を装着されている方は内容に制限がある場合があります。

費用と自由診療の案内

遠絡療法は公的医療保険の適用外(自由診療)です。費用は全額自己負担となります。
料金:

  • 初診時(初回の施術):15,000円(税別)
  • 2回目以降(再診・施術料):〜30分 6,000円(税別)、〜40分 8,000円(税別)、40分超 10,000円(税別)

※上記に別途消費税がかかります。施術時間は症状によって異なります。
当院の自由診療は完全予約制です。遠絡療法をご希望の場合は、事前にお電話または受付窓口でご予約ください。初診の方はWEB予約もご利用いただけます。

よくあるご質問

Q. 服を着たまま施術を受けられますか?
はい、基本的に服を着たまま治療できます。必要に応じて袖や裾をまくることはありますが、専用の服に着替える必要はありません。
Q. 施術時間はどのくらいかかりますか?
初回は問診や検査を含め約1時間です。2回目以降は20~30分程度が目安です。
Q. 何回くらい通えば効果が出ますか?
早い方は1回の施術で症状の改善を実感することもありますが、多くの場合は数回の施術を継続する中で徐々に症状が緩和していきます。症状や体質によって必要な回数は異なります。初回の施術で全く効果が見られない場合は、無理に続けず他の治療方法へ切り替えをご提案します。
Q. 副作用や治療後に気をつけることはありますか?
副作用はほとんどありませんが、施術後に眠気やだるさを感じる場合があります。治療後は、当日強いマッサージを受けたり痛みのある部位を揉み返したりしないようにしてください。
Q. どんな医師が行いますか?
専門の研修を受けた医師が担当します。痛みの診療に精通した麻酔科出身の医師が、安全かつ適切に施術を行います。

お問い合わせ

遠絡療法に関するご質問や予約希望は、お電話またはホームページのお問い合わせフォームからご連絡いただけます。
スタッフ一同、患者様が安心して治療を受けられるよう努めております。
(※本ページの内容は医療広告ガイドラインに則り作成しています。詳細や不明点は診察時にご確認ください。)