おおつごもりの懺悔 2020

 2020年は誰しも認めることであるが、新型コロナウイルスに翻弄された。

 毎日のように感染者数がマスコミの第一番に取り上げられる。初期の頃は意味あるものだと興味を持ったが、毎日繰り返される数字には辟易する。なぜなら、実情を評しているのかと疑問に思う。「今日は〇〇人が感染しました」と述べられている、何も知らない多くの人はそれを真に受ける。数字に間違いはないのだが、検査で陽性とされた人の数を言っているのであってそれもリアルタイムではない。PCR検査の結果は保健所に報告しそれを取りまとめたものであって即日の数ではなく遅れている。従って、陽性報告数として正しく報道すべきだ。さらに、一体全体何人が検査を受けたか母集団を明らかに示さねば本当に感染が広がっているかどうかの判断に間違いを生じる。PCR検査陽性とされた感染者が増えているのは事実であるが、検査範囲は対象者など不明な点が多い。感染が広がっているぞと恐怖を植え付けるのには良いのであるが最も大事なのは正しく判断させるよう国が国民に啓蒙することである。

 コロナ感染症患者を診療する施設の従業員やその家族までもが不浄なものとして敬遠や誹謗中傷の的とされているとも聞く。不十分な知識や噂話で人を苦しめる人に聞いてみたい あなたがその人たちの代わりに医療やその周辺のことをしてくれてみてはと。貴方の代わりに自分たちの身を挺して他人を救おうとしている人たちなのですよ、その人たちおよび家族を誹謗するとは何とも下種な野郎たち。地方に行くほどこの傾向が強いと聞く、民族が違うのか隣国の方なのか、はたまたインテリ度合いが足りないお馬鹿さんじゃなかろか?いま、誹謗中傷しているあなたが感染者となって批判を浴びたり村八分にされる立場になったら、それは正当であると言えるだろうか?

誰が望んで病気になるのか。自分だけ安全ならいいやという自己中心また集団の虐めではないか。

恐ろしいのはウイルスや病気でも幽霊でもない、一番怖ろしいのは人間だ。

今こそ日本人の民度と知性が問われているのだ。

コロナ対策の反省

今年は ウイルスPCR検査を積極的には行ってこなかった。理由は、私自身が感染症専門ではないこともあるが検査を受けに来る方が来院されるとなると、従来からの一般の患者さんの足が遠退くのではと考えてしまったからである。医療人としては恥ずべき事である。

患者も職員も感染対策として直接現金授受を避ける目的でQRコード決済などの導入した。これは、初期にはめずらしがられたものだった。このキャッスレス、実施者にとっては旨みはない。なぜなら、即日に現金は入らないわ入金までには時間がかかりその上手数料も取られる。得をするのは利用者にはポイントが入ることと金業者だけだ。しかたあんめえと我慢するしかない。

コロナ禍は医療や経済への大打撃を与えた。此れを契機に新たな事業形態や返って収入を増すことができた会社も多くあったであろう。当院は残念ながら打撃こそ受けたが何ら恩恵は受けられていない。4月以降患者数の激減に伴い収入も半減した。この状況で私は何をしてきただろうか、個人診療所の一人院長としては診療行為は怠らないことは至極当然のことだが、同時に経営責任もある。万一閉院でもしたら、受診してくださる患者様や職員たちにも多大な迷惑を掛ける。さて、三流経営者である私に何ができるのかと考えたときに某人に経営状況を判断してもらった。大いに参考となり指針を与えてくれた。しかし、彼の教示してくれた事すべては実行できなかった。不可能ではなく私の能力が及ばなかったのだ。単に目前の診療や診療報酬請求作成やら、助成金・給付金申請書書類作成に時間を費やしてきたに過ぎない。逃げ口上は決まっていた、医療は売り込みができないだの合法的でないだの、財源がないだの、はたまた大学では習ってこなかっただの。やはり経営者としては失格だ。

年明けは賢者の意見を聴き、どう打開するかを真剣に考え実行せねばならない。

ばっかじゃなかろか

かつて研修医という医師は犬か人間以下と言われていた。労働基準法なんてものには守られず実益の少ない趣味で働いていたようなものである。最近では、過剰なぐらいに手厚く守られているようである。仕事がきついから、興味が無くなったから、時間外労働が多いから辞めるって。弱者だと声高らかに訴えるものが注目され守られているが如何なものか?

ばっかじゃなかろか、何を考えて医師になろうとしたのか自問してほしい。根性論で言っているのではない。医療現場の厳しさを知らす夢だけ描いて医師になったが、現実には厳しい職務を全うできなければあなたである必要はないのだ。医師になるために大学に合格したと言う事は、他に志があった人間が不合格になったと言う事でもある。その人のほうが患者の事を考えて勤務したかもしれない。

ひたすら患者の生命を考え治療にいそしみ、研究を怠らない医師はいっぱいいるはずだが、この「地上の星」は顧みられることはない。怠惰な私は彼らの足下にも及ばない。

甘やかして育てられた医師にあなたは命を預けられるだろうか?日本の医療は衰退の一歩をたどるだろう。

かつては、世間の目を気にしすぎて自分の意見を控えすぎたこともあったが、年老いてくると何でも勝手に言えるようになるものだ。コロナ禍で過度に騒いでいる方、恐怖をあおり商売にしている会社、医療者やその家族や患者、何の罪もないのに彼らを嫌悪する人、利己中心に権利ばかり主張する人 み〜んな ばっかじゃなかろか と独りごつ

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