コロナ・インフルエンザ感染症における血液検査の意義
風邪様症状だけでは見分けにくい感染症に対し、当院では血液検査を積極的に実施しています。
本記事では、コロナ・インフル・その他症例を対象とした検査結果を表形式でわかりやすく提示し、診断の参考となる情報を提供します。
この記事でわかること
- 白血球数・血小板数・CRPなどの感染時の検査値変化
- コロナとインフルの検査値の違い
- 血液検査の初期診断における重要性
調査対象と手法
当院で診察した発熱患者のうち、2023年11月〜2024年10月までの症例から、
以下の3群に分類し、血液検査の結果を比較しました。
- C群(コロナ):54名
- F群(インフルエンザ):23名
- A群(その他):1,525名
測定項目は 白血球数(WBC)、血小板数(PLT)、CRP の3つです。
結果:血液検査値の比較表
項目 | C群(コロナ) | F群(インフル) | A群(その他) | 有意差 |
---|---|---|---|---|
白血球数(/μL) | 5,800 ± 1,200 | 4,600 ± 1,100 | 7,200 ± 2,100 | 全群間で有意差あり |
血小板数(×10³/μL) | 170 ± 45 | 220 ± 50 | 230 ± 60 | C群 vs A群で有意差 |
CRP(mg/dL) | 4.2 ± 2.1 | 2.9 ± 1.8 | 2.1 ± 1.3 | C群 vs A群で有意差 |
※ 平均 ± 標準偏差(SD)で記載
検査値が示す臨床的意義
- 白血球数:インフルでは最も低値、ウイルス感染全般に白血球は減少傾向
- 血小板数:コロナ感染者ではやや低下傾向あり
- CRP:コロナでは明確に高値、他群と差が出やすい
これらの指標により、原因疾患の推定精度が高まり、抗原検査や治療判断の参考となります。
まとめ
- 血液検査は、症状の似た感染症を鑑別する手段として有用です。
- 特にコロナでは、血小板減少・CRP上昇が特徴的でした。
- 初診時に迅速な血液検査を行うことで、効率的かつ合理的な診断と治療につながります。