コロナワクチン抗体価の減少速度について(2022.09.25改訂)

皆さんは新型コロナワクチンの3回目の接種を終りましたでしょうか?
日本全国では約60%近くの方が3回目のワクチン接種を終了しています。

ところでなぜ3回目のワクチンが必要なのでしょうかこれは2回目のワクチンによる抗体価が時間とともに減少してくるからです。これによって国の方針としては2回目の接種8ヶ月後あるいは6ヶ月後経過してから3回目のワクチンを打ちましょうと言うことになりました。
ただし国の方法では2回目のワクチンの効果がどのように低下してくるか明らかにされていません。
ワクチン接種後の抗体価が低下すると言われていてもどれぐらいのスピードなのか実際にはよくわかっていない方が多いと思います。
そこで当院では2回目を接種を受けられた方の抗体価がどのように変化してくるか測定してきました。また3回目の接種後も測定しました。

今回はワクチン種類別には表示しておりません

結果
図12回目接種 n=100(:ファイザー&モデルナ)

 

 

図23回目接種 n=29

 

どの図中に示されている近似式によって抗体がほぼ効果が無くなる(10未満)までの日数が推測できます。
2回目の接種で有効性がほぼないと考えられるのは何日後かを求めてみます。ファイザー製モデルナ製ワクチン全体で見てみると約310日でワクチン抗体価は無効になってしまいます。

3回目のワクチンを接種した場合は抗体価持続時間が延長し、約605日ということが分かりました。

ワクチン別に解析していませんが、2回目接種も3回目接種もモデルナワクチン接種群の方が抗体価を長期維持しているという印象があります。

4回目のワクチン接種を受けた方は少数ですので今回はグラフ作作成はしておりませんが、解析を継続していきます。

現実的にはワクチンを接種されている方の方が接種されてない方よりも臨床症状は軽度であり重症化が低下しています。このことはワクチンは不要ではないと言うことです。さらに今後大事なことは、コロナウイルスに罹患しても症状が早く改善し重傷化を防ぐことができる治療薬が早く臨床の現場で自由に使えるようになればワクチン接種の回数が少なくてすむでしょう。

当院患者様でコロナウイルスワクチン接種を3回受けられた方の中には、副反応としての倦怠感やら発熱された方がいらっしゃいます。私はその方たちに「良かったですね、2回のワクチン接種によって抗体ができていた証ですから」と説明していますし、2回目接種後の抗体価が分かっている方には3回目接種後副反応の程度予想や対処法を教えています。

さらに、3回目ワクチン接種を受けた方が抗体価持続期間が延びていましたので、3回目のコロナワクチン接種を積極的に受けてください。

 

**データのまとめには、研究職についておられる患者様の協力でできあがりました。感謝いたします。

**抗体価測定には ベックマン・コールタール社製試薬を用いています。 単位は AU/mL ,10以上で陽性とされます。

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